2025年9月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです


野田 錦市 さん
卒業年:2005年、卒業学部:経営学部経営学科
所属サークル:一般同好会手話サークル 創立記念降誕会実行委員会
所属ゼミ:細川ゼミ
有限会社野田屋菓子舗 代表取締役社長
和菓子の道に入り、早20年を超えました。在学中に失敗ばかりしていた私が、このように「校友KIKOU」に寄稿の光栄な機会をいただけるのは、龍谷大学での学生生活と、そこでいただいたご縁の賜物です。大変有難いことです。
龍谷大学で学んだ「平等」「自立」「内省」「感謝」「平和」という建学の精神。この教えに触れ、実践する中で育まれ、現在の私の仕事の成果と責任につながっていると強く感じています。
この20年で、次のような実績を重ねることができました。
あいちの名工(愛知県優秀技能者表彰)を、菓子技術者としては(当時)史上最年少でいただきました。厚生労働省モノづくりマイスターに認定され、国家検定1級技能士、職業訓練指導員の資格も取得しています。愛知県菓子工業組合では常務理事、名和会(名古屋和菓子研究会)では第二技術部の副部長を務めています。
また、代表を務める事業でも、多くの皆様に支えられてまいりました。今年2025年には創業80周年を迎え、『いちご大福』は発売40周年を迎えました。第26回全国菓子大博覧会では最高位の名誉総裁賞を受賞し、全国観光土産品推奨品にも認定。全国和菓子協会からいちご大福としては唯一の「伝統和菓子職」にも認定されました。楽天ランキングでは2部門で1位を獲得し(2020/11/10デイリーランキング:大福、いちご大福)、愛知県公認アンテナショップ『あいちの食と物産アンテナショップ』(2020年度事業)では総合1位を達成しました。登録事業者202社中で売上1位、商品目数667点中で注文数1位でした。『さくらさくらの赤飯まんじゅう』は発売から35周年を迎え、第22回全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞し(第22回全国菓子大博覧会1994年)、全国観光土産品推奨品に認定されています。
とはいえ大学時代は、多くのことに挑戦する中で失敗を重ねました。手話サークル、創立記念行事、アルバイト、ゼミなど、興味の赴くままに様々な活動に手を出した結果、どれも中途半端に終わってしまうことが多かったのです。しかし、この挑戦の積み重ねから、学び続けることの面白さを知ることができました。卒業後も学びを継続する中で、素晴らしい人々や、目を見張るような仕事、技術に数多く出会う機会に恵まれました。学びの過程では、多くの方にご迷惑をおかけし、恥ずかしい思いをすることも少なくありませんでした。しかし、本気で学ぶ姿勢を笑う実力者はいないということを知る一方で、怠慢な姿勢が出てしまえば厳しい目を向けられるということも知りました。このような経験から、見識や教養を深めることの重要性を痛感しました。特に、大学4年生の頃から読書の面白さに目覚め、20代後半から30代にかけては年間500冊以上読むほどになりました。
現在も未熟さを自覚しながら日々課題に取り組んでいますが、こうした努力のおかげで、少しずつでも成長できていると実感しています。龍谷大学で学んだ建学の精神、「平等」「自立」「内省」「感謝」「平和」の教えは、私の原点です。この精神に触れ、実践してきたことが、今の自分を形作っていると感じています。