校友クローズアップ 工藤 美咲さん

2022年3月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

校友クローズアップ

スポーツのメッカ、スイス・ローザンヌで生きる

世界野球ソフトボール連盟メディア部
工藤 美咲さん
(2016年 経済学部卒)

校友会報94号(2022年3月発行)より

校友最前線 工藤美咲さん

「スポーツを仕事にしたい」

13歳。スポーツを仕事にしたい、アメリカのスポーツを自分の目で見てみたい、そう思ったのは今から15年前のことです。こうして現在、スポーツの国際機関で仕事をしていることは、面白いようで、また同時に必然であるかのようにも思えます。

大学の制度を利用してようやく実現したアメリカ留学では、日本と同様に学生トレーナーとして活動しました。また、NFL観戦で目の当たりにした「あらゆる差異を越えて感情を共有できるスポーツの力」は、今でもわたしがスポーツ界で生きる動機につながります。

卒業後はスポーツ専門の映像制作会社でMLB・NFLの中継を中心とした様々なスポーツの放送に関わりました。ここでの仕事は楽しく、まさに夢描いていた「スポーツを仕事にする」そのものでした。

IOCのお膝元ローザンヌへ

ではなぜそれを辞めてスイスに来たのか? それは、厳しい環境下に身を置きたかった、というのが一番の理由です。国際オリンピック委員会(IOC)が創設者の一つでもあり、わたしが20年冬に修了したInternational Academy of Sport Science and Technology(AISTS)は、50以上の国際スポーツ連盟が拠点を置くローザンヌにあります。国籍、年齢、経歴もまったく異なる一方で、同じようにスポーツへの野心を持ち活躍する同士に出会えたことは、とても大きな刺激になりました。

現在は野球・ソフトボール・ベースボール5の国際統括団体であるWorld Baseball Softball Confederation(WBSC/世界野球ソフトボール連盟)のメディア部に勤務しています。スイスでの就職は、欧州連合域外の国民にとって難しいことはよく知られていますが、持ち込みの企画書が幸運にも評価され、無事にインターンとして採用されました。その後も数か月ごとの契約更新でしたが、一年後に晴れて正規雇用が決まりました。

面白く生きていきたい

21年、自国開催のオリンピックに国際連盟の一員として参加できたことは何物にも代え難い経験となりました。そして、WBSCは世界的には競技人口が少ないスポーツ種目の国際統括団体だからこそ、普及の過程を内部から見られることに興味をそそられています。

最後に、いまのわたしがあるのも龍谷大学の恩師をはじめ、会うべき時に会うべき人に会えたからだと心底思います。誰かが一押ししてくれたり、道を正してくれたり。その一方で、気骨きぼねが折れるような経験や言葉も、更なる舞台への糧となりました。もうすでに様々なことを経験してきたかのようにも感じますが、わたしのキャリアはまだまだ序盤です。スポーツの力を信じて、これからも面白く刺激のある道を歩んでいきたいと、そう思います。

AISTS卒業式
AISTS卒業式
東京2020オリンピック・パラリンピック
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