2023年5月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです
菊本 雄介さん
卒業年:2018年、卒業学部:法学部法律学科国際関係コース
所属サークル:海外交流委員会
所属ゼミ:国重ゼミ
テンフィールズファクトリー株式会社 クラフトビール事業部部長 兼 クラフト ビールとジンギスカン専門店「ビールと羊」店舗マネージャー
学生時代は、龍谷大学内の留学生や日本人学生を対象とした国際交流や異文化理解のイベントの運営、スペイン・バルセロナ自治大学への交換留学、留学後は留学生寮のチューターなど、国際交流の活動に尽力しておりました。委員会活動や留学準備などの合間を縫ってアルバイトも行っていたので、朝から夜まで動きっぱなしでしたが、とても充実した大学生活でした。
卒業後は、現在のテンフィールズファクトリー株式会社に入社し、入社7日目で、新規事業となる、クラフトビール事業とそれに伴う飲食店事業の立ち上げ責任者に任命され、自社クラフトビールブランド「オオサカビール」と、クラフトビールと炭火焼ジンギスカン専門店「ビールと羊」の立ち上げを行いました。
しかし、当初のオープン予定であったのは2020年3月末。そう、新型コロナウイルスが世界的にまん延し始めた時期でした。店舗の内装資材も一向に入ってこず、挙句に4月には飲食店の完全営業禁止。そんな中ですが、何とかオープン準備を進め、2020年6月、最初の緊急事態宣言解除と同時に、正式に「ビールと羊」をオープンしました。それからも大変な日々は続きましたが、試行錯誤を繰り返し、様々な形でクラフトビールや羊の魅力を関西・大阪の地で普及するべく、今も粘り強く続けています。
現在、日本人の羊肉の消費量は1人当たり年間200gにも満たないといわれています。ただ、世界平均でいうと年間一人当たり6.5㎏も食べられているのです。日本で「硬い・臭い・クセがある」といったネガティブなイメージが定着してしまったのは、一昔前、鮮度や品質の良くない羊肉が全国的に広がってしまったことが原因です。羊肉は鮮度が命のお肉。“鮮”という字は魚辺に羊と書きます。なので、「本当に新鮮でおいしい羊肉をもっと知ってもらいたい」という思いで活動をしています。
また、ビールも然りです。これまで日本で飲まれていたビールのほとんどは、ビールの中でもラガーというタイプの「ピルスナー」と呼ばれるスタイルのビールですが、ビールにはとても長い歴史と何百何千種類という作り方があります。それがまだまだ知られておらず、「ビールは苦い。飲みにくい。健康に良くない。」という流れで、若者のビール離れが進んでいるのが昨今の状況です。
現代のビールの多くは、どんな環境下でも製品の味や品質ができるだけ長く変わらないようにと、 “酵母”を取り除いて販売されています。しかし、酵母はビールの栄養素の塊で、食物繊維やビタミン、葉酸などが豊富に含まれています。本来、ビールは健康飲料として生まれたものです。そのため、私たちのオオサカビールでは、熱処理もろ過もしない酵母が生きたままの本当の生ビールを、いろんなスタイルで造っています。身体にもうれしく自分に合った味わいのビールをたくさんの人に知ってもらいたいという思いで、これからも頑張っていきたいと思います。