校友KIKOU 時間は有限。自分の人生を切り拓いて突き進もう

2023年7月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

校友KIKOU 森 凌平 さん
校友KIKOU 森 凌平 さん

森 凌平 さん

卒業年:2016年、卒業学部:経済学部
所属サークル:アカペラサークル mix voice

3TREE BREWERY

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 私の地元は、北海道・苫小牧という港町で、大きな工場も多くあり、北海道では都会の部類に入るかと思います。大学進学で京都を選んだのは、高校の修学旅行で初めて関西に行き、京都の街並みや文化に魅了されたからです。地元にはないものを京都で沢山感じたことで、京都に住みたい・学びたいと思うようになりました。


 大学進学後は、友人たちにも恵まれ、憧れの京都にも住むことができ、毎日が楽しかったです。勉学と並行して、アルバイトやサークル活動にも力を入れていました。アルバイト先は、賄いで焼肉が食べれるだろうと京都でも屈指の人気を誇る焼肉屋を選び、忙しい店舗でアルバイトしていた経験は、今でもしっかりと活きています。
 人前に立つのは苦手なのですが、歌うことが好きなのでアカペラサークルに入りました。幾度のライブは苦手克服の良い機会にもなり、こちらもいい経験になりました。
 大学時代は色々なことにチャレンジしましたが、一番力を入れていたのは飲みに行くことです。「飲みに行くこと?」と思われるかも知れませんが、私はそれが夢への最短ルートだと信じていました。
 ある日のアルバイト後に、苦手な(とても怖い)先輩と飲みに行くタイミングがありました。当時はそこまでお酒に興味があるわけではなく、誘われれば行く程度。その飲みの席で、「森くん最近良くなって来ているよ」と、仕事中の先輩からは出るはずのないような優しい言葉をかけてくださいました。この時の驚きと喜びは、今でも忘れられません。

その時、私が飲んでいたのは大手メーカーの瓶ビール。それまでは、苦いだけで何が美味しいかもわからなかったビールが、シチュエーションが変わるだけで印象までこんなに大きく変化してしまうのかと、自分でも驚きました。この時から私は大のビール好きになり、大手のビールメーカーへの就職を希望するようになります。
 まずは色々なビールを飲んでみようと、コンビニやスーパーマーケット、近くの酒屋で買えるだけの種類のビールを、「大手のビールも、メーカーによって味わいはもちろんパッケージデザインやターゲットが違うんだな」と考えながら飲んでいました。
 けれども、ただビールを飲んでいるだけでは就職はできないですよね。就活で絶対に避けては通れないのは、面接です。何か面接で強みになるようなことをしておきたいと考え、探していると、京都でクラフトビール(当時はまだ地ビールと言われることが多かった)のイベントが開催されることを知り、ボランティアの募集がされていたので、これは良いと思い応募することにしました。
 京都の商店街で開催されたそのイベントは、全国のクラフトビールに商店街のフードを合わせて楽しめるというものでした。それまで、クラフトビールはコンビニで買えるものしか飲んだことがなく、知見を広げるためにも飲んでみるか程度の気持ちでした。しかし、軽い気持ちで参加したこのボランティアが、私の人生のターニングポイントとなり、ここで私のビールのイメージがガラッと変わりました。
 イベントでは、全国から20社ほどのブルワリー(ビール工場)が、各社自慢のビールを数種類も提供していました。しかも、どのビールも普段コンビニなどでは見たことのないようなものばかりです。極め付けには、ブルワー(作り手)がその場で注いでくれて、ビールの説明までしてくれます。

「美味い…!」 私は、大手ビールメーカーが得意とするラガーと呼ばれるビールとは全く違う味わいのエールビールに、心を奪われてしまいました。しかも、その美味しいビールを作っている方とお話までできてしまう。ここは天国なのかと錯覚するような環境です。私以外のお客さんも、もちろんその状況に酔いしれていました。
 このイベントを機に、「私も自分の作ったビールを目の前で消費者の方に楽しんでほしい」と思うようになり、大量生産・大量消費の大手ビールメーカーではなく、多種多様な味わいのビールを少量生産するマイクロブルワリー(小規模醸造所)への就職を希望するようになったのです。
 それからというもの、アルバイトで稼いだお金はほとんど、クラフトビールを飲むための資金となりました。色々なイベントやお店に行き、沢山のブルワリーのビールを飲みました。よりクラフトビールを知るために、ビアバーでのアルバイトもしました。自分が好きな味わいはどれなのか。自分はどこのブルワリーに勤めたいのか…もうビール漬けの日々です。そして、ある時出会った運命の味わいに導かれ、私は大学卒業後、故郷である北海道に戻ることになります。この続きは、お店にて。

 いかがでしたでしょうか。これが私の大学生活です。そう、ビールばかり飲んでいました。ですが、私がしたいことがビールであっただけで、それが他のことであったとしても同じようにがむしゃらに突き進んでいたと思います。何が言いたいかと言うと、時間は有限ということです。自分がやりたいことに出会えたならば、その最短ルートを考え、やれることからコツコツ始めましょう。無駄なことなんてありません。自分がやりたいことをやっているイメージをすると言うのがポイントです。
 以上、3TREE BREWERY 森でした。ビールがお好きな校友会員の皆様は、ぜひお店に飲みに来てくださいね。