2022年11月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです
川村 俊弘 師
真言宗泉涌寺派総本山 御寺泉涌寺 寺務長
卒業年:1978年、卒業学部:文学部
所属サークル:漫画研究会(同好会)
真言宗泉涌寺派総本山 御寺泉涌寺についてはコチラから
学生時代の思い出
学生時代の思い出というと、龍谷大学へ入学した理由について思い浮かべます。
当時は仏教学科ゼミを選択していたのですが、私の家の泉涌寺は、龍谷大学で学べる浄土真宗とは違い、真言宗でした。大学では浄土真宗をメインに学び、真言宗の家へ帰るという生活を送っていたのです。真言宗を学ぶのであれば、本来なら高野山大学や種智院大学に行くのが王道でしょうが、そうはしませんでした。なぜかというと、真言宗のみを学ぶ場としては高野山大学や種智院大学へ行くことは確かに道理ではあるが、それだけの世界を過ごすと視野狭窄に陥ってしまうのではないか、もっと広い視野を持って学ばなければならないだろうと感じたためです。それならばもっと仏教大学として広く学べる場を、と探して龍谷大学を選びました。学食があり、自動車学校も生協を通して手続することが出来る。学生時分には十分過ぎるほどにそろっている学校だと感じていました。
当時もとても漫画がはやっていて、短期間ではありましたが漫画研究会(同好会)に所属していました。友人の下宿先に行って描き、そんなにうまいものではありませんでしたが、それはそれで楽しく活動を続けつつ勉学に励みました。
文学部だったので、1~2回生の時は深草学舎、3回生からは大宮学舎へ学びの場を移し、単位を落とすことなくスムーズに4回生になりました。勉学に対して真摯に向き合い、真剣に学んでいれば当然のことなのですが、4回生の時に受けていた授業はゼミだけだったと記憶しています。あまりにも真剣に勉学に励んでいたものですので、周りからも“とても真面目な学生”という確固たる印象を持たれていたと思います。
“今”を生きる人たちに向けて
私が学生であった頃と今の時代の方々とはだいぶ情勢も変わり“大変さ”も一概には言えないとは思います。ただ、そんな混沌とした時代だからこそ“人として当然だと思えること”、つまり基本とした人間性をしっかりと持っていてほしいと感じます。
例えば「人への感謝の気持ちを持って暮らしていく」ということ。生きていく上で不満を感じたりする時ももちろんあると思います。ただ、その不満から周りを傷つけても事態が好転することはあまりありません。不平不満ばかりを持って生きていくのではなく、何かしてもらってうれしい、相手に「ありがとう」とお礼の言葉を伝える、その当然のことを行動に移し、素直な心持ちで歩んでいけばおのずと道も開けてくると思います。誰かに何かを施してもらったら、それに対して「ありがとう」と思う、そんな気持ちを大切にしていってほしいです。