仏縁より導かれた経営論

2024年6月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

校友KIKOU 堀越 宏一 さん
校友KIKOU 堀越 宏一 さん

堀越 宏一 さん

卒業年:1995年、卒業学部:文学部仏教学科真宗学専攻
所属サークル:体育会ゴルフ部
所属ゼミ:龍渓ゼミ

株式会社松堀不動産 代表取締役社長

龍谷大学に入学したいと思ったきっかけは、中学高校での修学旅行でした。遠い関東の埼玉出身の私にとって、古い街並みや建物などはとても興味深く、こんな場所に住んでみたいと思ったのです。大学を調べるうちに、多くの人々に影響を与えた親鸞聖人とつながりがあるという龍谷大学を知り、当時人生の意味について考えることが多かった私はこの大学を第一志望に決めました。

すべての文学系学部を受験し、合格した文学部仏教学科に、これも仏縁と思い入学しました。入学当初、名称が同好会であったため半分遊び気分で入ったゴルフ部でしたが、本格的な体育会系で驚きました。部活動やアルバイトで忙しい中、友人と共に楽しく過ごした大学生活はあっという間に過ぎてしまい、仏教学の勉強が満足にはできなかった点だけ少し後悔しております。

大学卒業後、親の要望もあり埼玉に戻り、父親の経営する不動産屋を手伝うことになりました。一般企業の就職活動もしましたが、当時はちょうど就職氷河期が始まった頃で、希望する企業への入社も厳しいこともありました。埼玉とは言っても田舎ですから、もともと人口が少ない上に、数年前のバブル崩壊が直撃し、不動産の価値は大幅に下落。売買仲介をメーンとしていた当社にとっては非常に厳しい環境でした。私は少ない社員の中で社長の息子という立場もあり、比較的自由に経営に対し意見を言うことができました。経済学については大学の選択科目で学んだ程度でしたが、実は仏教学を学ぶ中で、お寺の経営が不動産管理業に近いのではないかと興味を持っていました。お寺は、墓地を維持管理することで何百年も運営されています。不動産の売買仲介は一度取引をしたら終わりですが、不動産の管理であれば長く仕事になるのではないかと考えた私は、一から不動産管理部門を立ち上げることにしたのです。

入社から約30年、私は現在、社長として会社を運営しています。社員は85名となり、5000室のアパート管理、駐車場2500台、トランクルーム800室、コインランドリー19店舗、そして150名規模の日本語学校の管理運営する会社へと発展しました。社是は「真心と思いやり」です。人にとって、住まいは安心安全なものでなくてはなりません。住まいを扱うものとして、「仕事を通じてご縁がある皆様に幸せになっていただきたい」という思いで、仲介から管理まで安心してお任せいただけるような会社を目指しております。

関東では龍谷大学OBと出会うことはほぼ100%ない分、たまに校友会HPを懐かしくながめております。