大正15年(1926)に完成した本堂は、木造洋風様式の建築物で設計者は当時の住職の長男・藤岡眞月(ふじおかしんげつ)。平成10年(1998)9月25日、国の登録有形文化財に指定されました。
明導寺本堂は、大正14年(1925)9月起工、翌年15年1月完成。基礎はコンクリートで腰をレンガ積みとし、壁は下見板張りの外壁にマンサード屋根(折れ曲がった屋根)を架けた、シンメトリー(左右対称)な建物です。入口は妻入りで正面玄関には切妻屋根を設け、ハーフチンバーとします。ゴシック風の尖頭アーチの上げ下げ窓、ルーバー窓など教会風で特徴的です。また、内部は外観とかわって、和風のつくりになります。
この木造洋風本堂を設計したのは当時の住職の長男・藤岡眞月。京都の龍谷大学に学び、西田哲学に傾倒した学生でしたが、一方、独自で建築を学びました。当地の文化の殿堂となるよう洋風様式とし、また関東大震災(大正12年)の教訓を生かした耐震設計を考慮しました。
本堂が完成した翌昭和2年、藤岡眞月は25歳の若さで没しました。
[熊本] 藤岡 教顕 フジオカ キョウケン
文学部 真宗学科 1997年卒