校友KIKOU 校友・武田双鳳氏主宰 京都道場書法教室に体験入会!

2023年10月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

近年、国内だけでなく海外でも、書道に対する関心が高まっているという話を耳にしました。技術の発展に伴い、文字が書くものから打つものへと変化しているように見える現代社会において、なぜ書道が注目を集めているのでしょうか。
気になってネットで調べたところ、

  1. きれいな字を書けるようになる
  2. 集中力を高められる
  3. 体幹を鍛えられる
  4. 礼儀作法を学べる

という4つのメリットがあるそう。
今回、広報部では、書道の人気の秘密と4つのメリットを検証すべく、校友である書家武田双鳳さんの主宰される書法道場に体験入会してきました。

校友・武田双鳳さんってどんな方?

武田双鳳さんは、1999年法学部のご出身。
『龍谷大学 心の講座』での講演や寄稿等、校友の皆さまの中ではご存じの方も多いのではないでしょうか。現在は、主宰される京都・大津の書法道場を中心に全国に160人の門下生の指導や講演活動などでご活躍されています。

校友KIKOU 武田 双鳳さん

武田 双鳳 さん

【今回取材に応じてくださった武田双鳳氏のプロフィール】

熊本県出身。書道家の母武田双葉に師事(兄は双雲、弟は双龍)。
1999年法学部卒業後、行政書士と社会保険労務士の資格を取得。社会保険労務士事務所に勤務する傍ら、大手予備校の法律の授業を15年以上担当。32歳で書道師範を取得。アーティストとして海外の企業とのコラボレーションや経営者向けの筆文字講師も務める。主宰する京都と大津の書法道場には全国から門下生160人が集う。

武田双鳳書法道場はコチラから

京都道場『ふたばの都』

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

今回、おじゃましたのは、京都駅から徒歩7分、京都道場 書法教室『ふたばの都』です。

お教室はビルの3階にあり、入口で靴を脱いでいると中から生徒さんたちの楽しげな声が聞こえてきました。
今回、体験入門を通して感じたことの一つは、お弟子さんたちが実に楽しそうにお稽古をされている姿が印象的でした。途中で、作品を写真に撮ってLINEグループで発表しあうなど、クラブ活動さながら。○○道場というと、厳しくいかめしいイメージを持っていた筆者にとって興味深い風景でした。

本日の体験コースお約束

先生や、お稽古中のお弟子さんたちにご挨拶し、体験の費用をお支払いすると、体験のための席を用意していただけます。うん十年ぶりに筆を持つ筆者のような初心者や、初心者の方のために体験に必要なお道具はすべて貸し出していただけるので手ぶらで出かけても大丈夫です。

ぐるぐる円を書いてみる

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

用意していただいたお座布団に座り、まず初めにするのは円を書くというものです。
「蚊取り線香みたいに円を書いてください」ということで、ぐるぐると紙の上で筆を動かしてみます。たっぷり墨汁を吸った筆を使って円を描くのは、力加減が非常に難しく、息を止めながらの作業となりました。

“ヒモ”が登場

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

2枚ほどぐるぐるとやって筆使いにも慣れてきて何となく楽しくなってきたころ、先生が丸紐を持ってこられました。適度な伸縮性のある武田書法道場のヒモトレ専用スピンドルです。
「え?ヒモですか?」
「はい。これをおヒザに巻いてください」
言われるままに、紐でヒザをしばって、また、書いてみます。
「今度はもう1本、たすき掛けをしてみましょうか」と先生。
「はい」
また、書いてみました。
「頭にも巻いてみましょうか」
「は、はい」
いろんなところに合計3本の紐を巻いたまま、また、ぐるぐる。
「ほら、中心が整って、きれいな丸がかけてきましたよ」
丸を書いた半紙を並べてみると、確かにどんどん丸の形がきれいになっていました。
美しい姿勢が大切というのはこういう事だったのかと納得しながら、体験は続きます。

好きな文字を書いてみる

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

「じゃあ、次はお好きな文字を書いてみましょうか」と新しい半紙を広げていただいたので、好きな漢字を一文字選んで書いてみました。
ちなみにこの時まわりでお稽古をされていたお弟子さんたちは、大人の方々で、書いておられる書を見ると皆さん相当お上手。場違いな場所に来てしまったのでは…と、筆を持つのが小学校卒業以来な筆者は緊張して筆先が震えます。

お習字なのにバランスボード?

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

まずは、とりあえず書いてみた好きな一文字をお見せすると、先生は、「う~ん」と言いながら、お教室の真ん中になぜか並べてあるバランスボードのところまで行って手招きしています。
「これに、乗ってみましょうか」
「え?バランスボード?」
そして、しばらくの間、筆を置き、バランスボードに乗って立ったり座ったり。おおよそ『お習字のお稽古』とイメージの違った時間が流れました。
この時、先生は筆で文字を書く時は腕を使うのではなくて体を使うのだと教えてくださいました。

先生のお手本を見ながらお稽古

ひとしきり動いた後、先生が楷書でお手本を書いてくださいました。今度は、お手本を見ながら筆を動かします。先生のお手本を見ながら、一生懸命筆を動かしていると、周りの音が消え、一人の世界に没入していくような静かで不思議な感覚を楽しめます。
「前より力強くなってますね」
バランスボードに乗る前に書いた文字と、お手本を見ながら書いた文字の2枚の半紙を前に、先生がおっしゃいました。確かに、文字が少し変わったような気がします。

「よくなったので、行書で書いてみましょうか」
先生は新しいお手本を目の前で書いてくださいました。

校友KIKOU 武田 双鳳さん
校友KIKOU 武田 双鳳さん

影色と呼ばれる美しい色の墨をたっぷり吸った筆が、半紙の上でなめらかに滑るように動きます。その所作はうっとりするほど美しく、ずっと見ていたいような気分に襲われます。
お手本を書いた後、先生はその文字の成り立ちや背景にある文化について話してくださいました。
大人の書道は歴史や文化を感じるものでもあるのだと、また、新しい発見です。

そして、先生の優雅な筆の動きをお手本にしながら、先ほどと同じ文字を、今度は行書で書いてみます。柔らかな曲線を特徴とする文字を書いていると、心なしか気分も優雅に、柔らかくなったような気がしてくるから不思議です。

体験入会を終えて

こうして、約1時間かけて、体験入会を終えました。
なるほど、冒頭で調べた①きれいな字を書けるようになる、②集中力を高められる、③体幹を鍛えられる、④礼儀作法を学べる、という書道の4つのメリットを実感でき、書道が人気なのも頷けます。

今回の体験で、書道の持つ奥深い魅力にふれ、「書道を始めてみたいな」と真剣に思いました。

武田双鳳さんの主宰される武田双鳳書法道場について詳しくはHPよりご覧いただけます。

記・広報部 泉