校友KIKOU 変わりゆく時代の中で、「変えてはいけないもの」と「変えなければならないもの」

2024年2月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

川上  泰司 さん(1980年・経営学部卒)
川上  泰司 さん(1980年・経営学部卒)

川上 泰司 さん

卒業年:1980年、卒業学部:経営学部
所属サークル:吹奏楽部
所属ゼミ:井上ゼミ

株式会社川上 代表取締役社長

学生時代の思い出を少しお話させていただきます。

私は地元の堀川高校の出身です。当時は現在とは違い、小学校区により決定される普通の公立高校でした。京都市内の公立にはこういうところが多かったと思いますが、共学で服装は私服、授業は単位制、休校は多いし学校の出入りも自由…、ほとんど大学生的なライフスタイルなので、大学生になってはまる遊びは、ほぼ高校時代に経験していた感じです。その分、大学に入ってからは遊びにはまらず、要領よく単位を取り、4回生の時には卒論を残すのみとなっていました。

所属していた吹奏楽部の活動には、授業以上に真剣に取り組みました。入部当時はまだ認定同会の位置づけで、私たちが3回生の幹部になった時にようやく正式な部として承認されました。吹奏楽コンクールもその時から参加するようになりましたが、夏休みにはアルバイトをしないとやっていけない苦学生も多く、賛否両論といったところでした。今は全国大会の常勝校となっているわけですから隔絶の感がありますね。私自身としては、4回生の定期演奏会で「展覧会の絵」の指揮を振ったことが最大の思い出で、奏者と客席が一体となった感動は、今でも心の支えとなっています。

数年前、趣味を通して懇意にしている龍大の教授に学内を案内してもらいましたが、ほとんどすべての校舎が建て替えられていて、当時の姿が残っているのは師団街道沿いの教職員用の建物ぐらいでした。毎日のように通ったクラブボックス、練習場があった思い出の紫朋館、新築でのピカピカだった建物も取り壊しとのことで、時代の流れを感じました。

現在、私は家具の小売業の会社で5代目経営者を務めています。中京区にある本店「家具の川上」は、今年で創業141年目に、宇治市に出店した「ファニチャーエキサイト」も26年目を迎えています。本店は本物志向の中高級店、宇治店はロアー価格帯に徹したアウトレット店という形で、市場に対応しています。両店ともに龍大の卒業生の従業員もおり、ご縁を感じています。

父親が早く他界したため30歳から社長を務めています。何としても70歳には社長を退きたいと、後進の育成に今後は努めたいと思っておりますが、これが一番難しい仕事です。長く続く会社には共通していることかもしれませんが、「変えてはいけないもの」と「変わらなくてはいけないもの」、これを次の世代にどのように伝えていくかが重要だと思っています。

川上  泰司 さん(1980年・経営学部卒)