2023年2月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです
星野 要二 さん
卒業年:1980年、卒業学部:経営学部
所属サークル:フォークソング同好会 黄色いトマト
所属ゼミ:片岡ゼミ
家庭料理専門店 小さな食卓フラココ についてはコチラから
二十歳の自分が何を考えていたのか…もう思い出せないほど、遠い昔の記憶になってしまいました。あの頃はただ、毎日友人達と音楽に明け暮れ自由を謳歌していた気がします。
卒業後は、会社勤めで音楽とは縁のない生活を送り、昨年定年退職を迎え、妻と二人で家庭料理専門店「小さな食卓フラココ」を開業しました。未経験の飲食業にトライするきっかけは、食いしん坊夫婦の趣味・ランチ巡り。「こんなお店があったらイイネ」を共有しながら、色んなお店を食べ歩いてきました。幸い妻は、調理師免許を持ち料理教室講師経験もあります。一方、管理職経験しかない私でしたが、立地条件のリサーチ・メインターゲットの設定・営業ドメインの選択・出店とランニングコストの試算など、大学で学んだ経営学がこんなところで役に立ちました。オフィスが多い立地にも恵まれ、コロナ禍でも順調に売上を伸ばしファンも増加中です。
そんな我々の経営理念(大袈裟ですが)は、「人は美味しいものを食べると幸せになれる」。「美味しい」の感覚は人それぞれですが、特に化学調味料に頼らない素材の美味しさを求めるお客様にご好評を頂いています。何かと忙しい現代人は簡単・便利・時短を重視し、作り手の企業は化学調味料や添加物を巧みに用いて生産性を追求、その結果、昔ながらの出汁や食材は徐々に食卓から消えつつあります。一方、利益や効率を求める必要がない年金(+α)暮らしの我々夫婦が追求するのは、「本物の出汁から取り出す本来の美味しさ」。調理はイリコの下処理から始まり、指定農家が栽培する香川県産ブラント米「おいでまい」や、麹香る愛媛県産米味噌、地元岡山のミネラル栽培農家から仕入れる野菜など、食材にも拘っています。お客様から頂く「美味しかった」の笑顔をモチベーションに、家庭料専門店として「大切な家族の健康を考えたメニュー」を提供しています。
60代半ば、人生の第二ステージを迎えた今、ささやかながらも人を幸せにできる仕事に取り組め、自分自身にとっても大変有意義なことだと感じます。こんな毎日がこの先も長く続くよう、健康に留意しながら頑張ります。岡山へお越しになる機会があれば、ぜひお立ち寄りください。美味しいランチをご用意してお待ちしています。
追伸:今でも時々、ギターを取り出してあの頃の唄を弾いています。学生時代の音楽経験も、ささやかに私の人生を豊かにしてくれるものです。