校友KIKOU 感謝と誇りを胸に、日々精進

2023年12月掲載
※所属・役職・記載内容等は掲載時期のものです

校友KIKOU 大角 安史 さん

大角 安史 さん

卒業年:1996年、卒業学部:経済学部
所属サークル:テニスサークルKIDS

株式会社大安 代表取締役社長

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中学、高校と男子校で育った私にとっては、キャンパスを歩けば女子とすれ違うこと、同じ教室に女子の姿があることが新鮮だったのを思い出します。また、女子との交流も目論んでテニスサークルに所属していました。しかし、テニスなどやったことのない私には難しく、練習に行くのが億劫になり、お酒の好きだった私は次第に宴会要員になっていました。そんな状態ではロマンスが生まれることはありません。不器用な男子校出身者にとっては、厳しい現実をたたきつけられたような思いでした(笑) それでも、毎日楽しく大学に通っていました。

当時、学業もほどほどにしかしませんでしたが、今になって、学生時代にもっと勉強しておけば良かったと悔やむことが多々あります。実際に社会に出て仕事に就くと、その専門分野の知識は勿論のこと、様々な分野の知識が必要となります。さらに、知識があるだけでは使い物にならず「知恵」に変えていかないと社会では通用しません。なので、学生時代に多くの「知識」を得ておいた方が良かったな…と思いながら、勉強する日々ですが、不思議なことに、全く苦にならないのです。その時々で必要なことを学ぶ訳ですから、どんどん吸収できますし、それが仕事に活かせるので学び甲斐があります。結局、学生時代にしっかりとした将来の目標が無かったことが勉強に打ち込めない原因だったのかなと、今では思います。そんな私も、今や二児の父。ふたりとも大学生。転ばぬ先の杖と思いながら、学生時代に勉強することの意義を説いてはみるものの、煙たがられる始末。逆の立場なら私も同じ反応をしているでしょう。やっぱり我が子だなと苦笑しながらも、めげずに説き続けたいと思います。子供たちの幸せを願いながら。

さて、前置きが長くなりましたが、私は現在、株式会社大安で京つけもの製造販売業を営んでいます。明治35年(1902年)に私の曽祖父が創業した、龍谷大学の歴史に比べると遥かに若い会社です。「お漬物」と聞くと古臭いイメージを持たれるかもしれませんが、近年、俄かに注目を集めているキーワードがあります。それは、「腸活」。「腸活」とは乳酸菌を取り込んで腸を元気にすると体の調子が良くなると言われるものです。ほとんどの漬物に乳酸菌が含まれており、特に京の三大漬物である「しば漬」「すぐき」には多くの乳酸菌があることが確認されています。また、ぬか漬けにも多くに乳酸菌が含まれ、ぬか床には1g当たり1億個の乳酸菌があると言われています。漬物は日本人が古くから食べてきたものですが、昔の人は科学的な根拠とは関係なく、「なんか体の調子が良い」と思いながら、食べ続けてきたのでしょう。私は、そんな先人の知恵である漬物を扱うことを誇りに思っていますし、更に発展した形で後世に伝えていきたいと考えています。「伝統は革新の連続」。この言葉を胸に、成長し続けて参ります。

弊社には、龍谷大学卒業生が4名おります。世代も性別もバラバラですが、皆、真面目で控えめ、それでいて、自分をしっかり持った優秀な人財ばかりです。親鸞聖人の教えを学んできているからかなと思っています。今後の弊社を盛り立てるキーパーソンであることは間違いありません。母校のご縁に感謝。いつも感謝の気持ちを忘れず、これからも精進して参ります。